院長あいさつ
穂波の郷 弓歯科医院
院長
〈経歴・資格〉
- ・ 東北大学歯学部卒
- ・ 歯学博士
- ・ 日本口腔インプラント学会専門医
- ・ 日本顎咬合学会認定医
- ・ 厚生労働省認定臨床研修指導医
はじめまして、穂波の郷 弓歯科医院 院長の虻江 勝と申します。
私は、平成25年2月より当院の譲渡を受け、院長として地域の皆様の歯科治療に当たらせて頂いております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
当院の治療に関する理念
患者さんごとに病態・症状および体質は多種多様であり、さらに患者さん本人の治療に対する希望もそれぞれ異なります。期間・費用も含め幾通りも存在する治療法を組み合わせ、患者さんと担当医双方にとって最良の結果が得られるように治療計画を立案しなければなりません。適切な治療法を選択しゴールを目指すためには、担当医からの十分な説明と相談が必要不可欠であると考え、これらに費やす時間を大切にしております。
また、医療機関を受診する場合、私も含め大多数の方にとって健康保険での診療が第一選択になると思います。現在の日本の健康保険制度では患者さんが治療費の3割(もしくはそれ以下)だけを支払えばよいことになっており、この制度によって国民の経済的負担はかなり軽減されています。しかしながら、保険診療では手法や材料等に制約が多く、決められた範囲内での治療となり、保険診療のみで患者さんの要望に全てお応えできるとは限らず、例えばインプラント治療、矯正治療、審美治療(見た目を良くする治療)などは保険診療として認められていません。これらの治療を希望される場合は、保険外診療を選択していただくこととなります。
ここで大切なことは、高額な保険外診療がその患者さんにとって本当に有益なものかどうかを慎重に判断し、保険診療でも十分に対処できる場合ならば保険診療を第一選択として考えるということです。「まずは保険診療で最善を尽くし、それだけではどうしてもご希望に添えない部分を保険外診療で補う」という考え方を、当院では採用しております。
最後に、当院では乳幼児から学生・成人・高齢者、さらに妊婦さんや身体の不自由な方など、幅広い層の患者さんそれぞれに適切な診療を提供できるよう、スタッフ全員がチームとして多様な内容の診療に取り組んでおります。ホームドクターとして患者さんと生涯お付き合いさせていただくこととなれば、患者さん個々のQ. O. L.(Quality of Life:生活の質)の維持もしくは向上が最も大切であります。歯科治療でいえば痛みを取り除くこと、見た目を回復すること、不自由なく食事ができるようにすることなどが重要です。歯科治療を通じてこれらに貢献できれば幸いと存じます。
『 遠くの名医より、近くの良医でありたい 』と考えております。
弓先生から弓歯科医院をたくされ承継
当院は平成19年4月9日に故 弓 哲玖(ゆみ あきひさ)先生により開院され、「全ては患者さんのために」を大切にしながら弓先生は診療に当たられておりました。当時、美里町に「みさと歯科」を開設し院長として従事していた私ですが、公私ともに親しくよく歯科治療について弓先生と語り合ったりお酒なども飲み交わしたものです。順風満帆に思えたのもつかの間、平成23年3月11日に東日本大震災に見舞われました。さらに追い打ちをかけるように、その後に弓先生に大病(特発性肺線維症)が発覚し何度か相談を受けておりました。平成24年12月に急性増悪し以降は病院に搬送されては退院を繰り返し翌年1月には酸素投与が不可欠な状態となりました。当時、弓先生から「職場復帰が絶望的であり余命宣告を受けた。」と聞き驚きを隠せず、弓先生は弓歯科医院の存続を強く望んでいたこともあり、譲渡を受け承継することを約束しました。弓先生は「患者さんと従業員を頼みます。」と私に伝え、その言葉に痛感しました。その後、2月21日に永眠されました。被災地での活動やチャリティーでの「レディーガガカップ」落札など難病と闘いながら奮闘した弓先生には教わることが多くありました。
平成25年2月に「穂波の郷 弓歯科医院」を私が理事長を務める医療法人勝和会が開設法人として弓先生より譲渡を受け承継し、みさと歯科副院長の久保圭に院長を引継ぎ、弓歯科医院院長に私が着任しました。
(ご遺族の許可を得て、弓先生のお写真を掲載させて頂いております。)